2023.5.11
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マイホーム購入時の年齢に注意せよ
問題です。
① 年収600万円の人
② 年収700万円の人
どちらの方が、より多くローンを組んで、より高いマイホームを購入しても大丈夫でしょう?
これだけの情報であれば普通は『② 年収700万円の人』ですよね。なぜなら年収が高いからです。
このように、現在の年収をベースにしてマイホーム購入の予算を考える人がとても多いです。
住宅営業マンも「年収が高いお客様は多くのローンが組める」「高い家を売るチャンスだ」と考えていますので、初めて家を買う人がそう思っても仕方ありません。
先日もあるお客様から、年収をベースにした予算設定について、以下のような相談を受けました。
よくある予算の決め方
「年収が約700万円くらいの上司がいて、その人が住宅ローンを5,000万円借りてマイホームを建てたみたいです。私は年収が600万円なので、さすがに5,000万円は厳しいかなと思っているのですが、4,000万円くらいならいけるかなと思っています。どう思いますか?」
身近な人を参考に予算を決めるのは、よくあることですね。
上司の年収が700万円で、ローンは7倍強の5,000万円。
自分の年収は600万円で、7倍弱の4,000万円なら大丈夫だろう。
年収の倍率という意味では、上司よりも安心感があると思います。
ただ、これだけて予算を決めてしまうのは『間違い』で、他にも色々な要素を加味しなければなりません。
予算を決める色々な要素
マイホームを買う場合、たしかに年収は高いに越したことはありません。
しかし、だからと言ってそれだけで予算を決めてしまってはいけません。
■子どもの人数、進学先について
■車の買い替え時期、車種
■生活費
■趣味や旅行に使いたいお金
■奨学金やカーローンの返済
さらに予算を決める上で重要な要素が『現在の年齢、退職年齢』です。
退職までの総収入で考える
上司の方は『43歳』でマイホームを購入したそうです。
一方、このお客様の年齢は『34歳』。
年収ももちろん大切なのですが、それ以上に大切なのは「定年退職までいくら稼げるか?」です。
具体的に比較してみましょう。
上司は年収700万円、相談者様は年収600万円、つまり1年間で稼げるお金は上司の方が100万円多いことになります。※わかりづらくなるので税金については考えないことにします
これを一般的な退職年齢である60歳までの総収入で比較すると、
上司の方のマイホーム購入時年齢は43歳なので、定年まで残り17年間働けます。
収入がずっと変わらなかったと仮定すると、年収700万円×17年=1億1,900万円の総収入があることがわかります。
一方で相談者様は現在34歳、定年退職まで26年なので、年収600万円×26年=1億5,600万円。
相談者様の方が、定年までの総収入が3,000万円以上も多いことがわかります。
つまり、マイホームの購入費用に充てられるお金も多くなることになりますね。
ファイナンシャルプランナーに相談する必要性
このような具体的な例をみると、年収や貯金だけを参考に予算を決めることが、どれだけいい加減なのかがわかると思います。
年齢以外にもマイホーム購入予算を決める上で、必要な情報はたくさんあります。
■転職の有無
■定年退職の年齢、退職金の有無、金額
■子の人数、出産予定、進学先予定
■趣味、旅行に充てたいお金
■奥様の収入や働き方
■車の購入費用
また、その家族特有の出費もあります。例えば、
■毎年ディズニーランドへ行くのがルール
■それぞれの実家への帰省費用がかかる
■持病があり、医療費が多くかかる
■転勤族なので、ご主人の単身赴任費用
このように、家庭毎に支出は異なります。
そのため、どんな支出があるのかを把握した上で、予算を決めるのがとても大切なのです。
マイホーム購入時にはしっかりとファイナンシャルプランナーに相談して、適正な予算を見極めることをオススメします。