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2024.4.14

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【成約】売買仲介・札幌市清田区平岡

  • 札幌市にお住まいの40代女性Yさん
  • 築25年の一戸建て
  • 30年以上前に離別した父からの相続
  • 父との関係性から複雑な心情
  • 条件、金額、販売までの期間などバランス調整

こちらは、税理士さんからご紹介いただいた相続案件でした。

お父様から相続をした不動産を売却し、現金化するという事案はよくあることです。

しかし今回は、30年以上前に両親の離婚により会うことがなくなったお父様が亡くなり、Yさん以外に相続人がいなかったという珍しいケースでした。

お父様が亡くなったことも、この不動産の相続をすることをきっかけに知り、遺影越しの再会も30年以上振りという状況です。

Yさん自身、両親の離婚がきっかけで会わなくなった父親ですので、非常に複雑な心持ちだったとお察します。

娘としての複雑な心情

故人が住んでいた建物が付いていますので、生活用品の残置物が残っていたり、場合によっては建物の解体をしたりする必要もあります。

不動産売却をする上で、こういったことはよくあることです。

とはいえ、『父親が使っていた家具家電や生活雑貨』『父親が住んでいた家』を30年振りに会った娘が処分するというのは、想像するに非常に複雑な気持ちだと思います。

離婚が原因で離れた父を「もう関係ない人」と思いつつ、「それでも父親」と考える娘様(Yさん)の葛藤のようなものを私は感じていました。

そのため、

「建物や残置物をYさん自身が処分することに精神的な負担があるなら、処分はこの不動産を購入した人にお願いして、現状のまま売却しましょう」

と、できるだけYさんの精神的負担が軽減されるようなご提案をさせていただきました。

Yさんも「もしそういった条件で納得してくれる買主さんが見つかるなら、それでお願いします」と承諾してくださいました。

折り合いをつける価格を見極める

買主様としても、当然、中に残置物はない方が楽ですし、気持ち的にもスッキリ購入できます。

こういった部分を解決させるためには、やはり価格設定の調整が必要です。

処分をするための実費を減額するのは当然として、それプラスアルファの金額的メリットをどれだけ提示するか。

あまりに安くしすぎると買主様は喜ばれますが、その分、売主様(今回はYさん)の利益が減ってしまうのが不動産取引の構造です。

お互いが納得できる金額や取引条件等、ここの折り合いをどう調整するかが肝になります。

不動産屋ができること

最終的にこちらの売買は、買主様が残置物撤去作業で不便にならないよう、弊社で業者の紹介や手配等の調整を代わりに行うことで買主様に納得いただき、売主様(Yさん)の金銭的利益を損なうことなく、取引を成立させることができました。

こういった調整をすることも不動産仲介業者の役割かと思います。

前述した通り、不動産取引は「買主」と「売主」の利益の奪い合いのような部分があります。

どちらかが金銭的な恩恵を受けると、どちらかが金銭的な損をするという構造です。

ただ、できるだけそういったことをなくせるように不動産屋ができることもあると思っています。

弊社ではできる限り、買主様・売主様の双方が納得できる取引をご提案させていただきます。

新松尊英

新松尊英

株式会社ファイナンシャル・アーキテクツ代表取締役。FP事務所『札幌住まいのFP相談窓口』の代表も務める。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために2015年に独立。保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計 1,000 件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。

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